比ー２ ～比を簡単にする～

今日は比を簡単にするということをやっていこうと思うんだけど……
前回、１８：１２、９：６、６：４、３：２、３６０：２４０
という５つの比が出てきたのは覚えているかな？

そうだね。
１８：１２は１８個と１２個を比べていて、９：６は９袋と６袋を比べていたよね。
この２つなんだけど、パッと見たとき、数や大小関係がわかりやすいのはどっちだと思う？

そうだよね。
じゃあ、１８個と１２個を比べていた１８：１２と、３袋と２袋を比べた３：２だとどうかな？

お、いいところに気づいたね。まず、比に小数を使うのは問題ないよ。もちろん分数を使ってもいい。
ただ、比を簡単にするときは、整数でなくてはいけないっていうルールがあるんだよ。

単純だよ。簡単ではないから。
例えば、前回、袋に入れていくっていう説明したよね。
このとき、袋が０.３袋とか０.２袋とか考えてごらん？

そうだね。もしかしたら、満杯になっていない袋なのかもしれない。
どちらかはわからないけど、どっちにしてもわかりづらくないかい？

だろ？じゃあ、全然簡単になっていないよね。

「比を簡単にする」ということは、
①整数
②できる限り小さい数字にする
という、２つのルールがあることを覚えてほしい。
そうすれば、わかりやすいから簡単になっているんだ。

じゃあ、次からは実際に比を簡単にする方法をやっていこうか。

さあ、比を簡単にする方法だけど、整数だけのときは「同じ数で割る」と考えよう。

うん。４８と６０の２つ数をどちらも割り切れる数字ってないかな？

そうだね。だから４８：６０＝２４：３０ってなるのさ。
でもまだまだ割れるぞ。

そう！順調だね。
これで終わりかな？

正解！

これ以上はもう割れることができないから、４８：６０を簡単にしたときの答えは、４：５となるんだ。

うーん……まぁ、そうだね。言いたいことはわかるよ。
でも、６で割ったり、１２で割ったらどうなるかな？

ほら、わり算2回で終わったじゃないか。
１２で割れば、４８÷１２＝４、６０÷１２＝５から、４：５というように1回で終わるぞ。

うーん……おしい！
例えば、最初から「６で割れる」とか「１２で割れる」って気づけたらそれでいいんだ。
でも、絶対に思いつけるかな？

なるほど。じゃあ、特別に問題を出してみよう。
３０７２：７６８
これを簡単にするには、何で割ったら１回で終わるかな？

そうだろう？
だから、「必ず一回で割れる数でやらなくてはいけない」なんてことはないのさ。もちろん、「必ず小さい数から考えていかなくてはいけない」なんてこともない。
大事なのは「思いついた数から割っていけばいい」っていうことさ。
そのほうが「もっと大きな数で割っていけるかも」って考えていくよりもずっと早く終わるはずだよ。

うーん……そうだね、どちらも偶数だから２で割るか、どちらも３の倍数だから３で割ってみるかな。
まずは３で割ってみようか。
３０７２÷３＝１０２４、７６８÷３＝２５６だから、１０２４：２５６だね。

そうだね。でも、算数や数学に詳しい人ならここからすぐに
１０２４÷２５６＝４、２５６÷２５６＝１で４：１ってできるんだよ。

実は、１０２４は２を１０回、２５６は２を８回かけた数なんだ。
だから、すぐにわかるってわけさ。
少し算数・数学に詳しい人ならだれでも知っている数字さ。
こうやってよく出てくる数字とか、数字の性質を知っているとこういう時に便利なんだ。

そうだね。これは３の倍数を覚えていたわけではないけど、簡単な３の倍数の見分け方があるんだ。だからすぐにわかったんだよ。もし、今後こういう便利な数字や見分け方が出てきたら少し覚えておこうね（詳しい倍数の見分け方を知りたい方はこちらをチェック！）。

ところで、ここまで比を簡単にする方法をやってきたけど、なんか似たようなことをやったことはないかな？

ほら、同じ数で割るって別のことでもやってるでしょ？

そう！よく思い出せたね。
実は分数と比はとても似たような考えができるんだよ。
だから、比を簡単にするときは約分と同じようにで考えてみよう。

さて、これで整数だけの比を簡単にする方法はおしまい。
次からは小数が混ざったときはどうするかを見ていこうか。