2の倍数…1の位の数が偶数。
3の倍数…各位の和が3の倍数。
4の倍数…下2桁の数が4の倍数。
5の倍数…1の位の数が0か5。
6の倍数…2の倍数かつ,3の倍数。
7の倍数…1の位から3桁ずつに区切った数を,順に足し引きした数が7の倍数。
8の倍数…下3桁が8の倍数。
9の倍数…各位の和が9の倍数。
10の倍数…1の位の数が0。
11の倍数
①1の位から2桁ずつに区切った時,その和が11の倍数。
②各位の数を順に足し引きした数が,11の倍数。
12の倍数…3の倍数かつ4の倍数。
結論が知りたい方が多いと思いますので,有名な見分け方の一覧を記しておきます。
よく,「倍数の見分け方はどこまで覚えた方がいいのか」という質問を受けますが,
全て覚える必要はまったくありません。
ただ,マーカーが引いてある内容は,受験に向けて覚えておくべき内容です。
はっきり言うと,「覚えていないと解けない」という問題はありません。
ただ,「覚えておくと速く解ける」という問題は多く存在します。
この記事では,マーカー部分の倍数判別法について,
見分け方を具体例を用いて解説していきます。
2の倍数の見分け方
2の倍数の条件は「1の位の数が偶数」です
問題
\(23658が2の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(23658\)の1の位の数は偶数なので,\(23658は2の倍数。\)
3の倍数の見分け方
3の倍数の条件は「各位の和が3の倍数である数は,3の倍数」です。
問題
\(365361が3の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(365361の各位の和を計算すると,\)
\(3+6+5+3+6+1=24\)
各位の和である24は3の倍数なので,
\(365361は3の倍数。\)
4の倍数の見分け方
4の倍数の条件は「下2桁の数が4の倍数である数は,4の倍数である」です。
問題
\(456556が4の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(456556\)の下2桁である56は4の倍数なので,
\(456556は4の倍数\)
5の倍数の見分け方
5の倍数の条件は「1の位の数が0か5である数は,5の倍数である」です。
問題
\(365352が5の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(179825\)の1の位は5なので,
\(179825は5の倍数\)
6の倍数の見分け方
6の倍数の条件は「2の倍数かつ,3の倍数」です。
つまり,「1の位の数が偶数」かつ「各位の和が3の倍数」
の場合は6の倍数ということになります。
問題
\(365352が6の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(365352の末尾は2の倍数。\)
\(各位の和を計算すると,\)
\(3+6+5+3+5+2=24であり,3の倍数\)
\(よって,365352は\)2の倍数かつ3の倍数なので,
\(6の倍数。\)
9の倍数の見分け方
9の倍数の条件は「各位の和が9の倍数」です。
\(149301が9の倍数かどうか判別しなさい。\)
\(各位の和を計算すると,\)
\(1+4+9+3+0+1=18\)
各位の和が9の倍数なので,\(149301は9の倍数。\)
10の倍数の見分け方
10の倍数の条件は「1の位の数が0」です。
問題
\(543210が10の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方
\(543210\)の1の位は0なので,
\(543210は10の倍数\)
11の倍数の見分け方
11の倍数は,有名な見分け方が2通りありますが,
どちらか一方だけ覚えれば大丈夫です。
また,11の倍数については中学受験では必須ですが,
高校受験,大学受験では覚えなくても大丈夫です。
①1の位から2桁ずつに区切った時,その和が11の倍数。
②各位の数を順に足し引きした数が,11の倍数。
問題
\(384758が11の倍数かどうか判別しなさい。\)
見分け方①
「1の位から2桁ずつに区切った時,その和が11の倍数であれば11の倍数」
\(38+47+58=143\)
143は11の倍数なので,\(384758は11の倍数。\)
見分け方②
「各位の数を順に足し引きした数が,11の倍数」
\(+3-8+4-7+5-8=-22\)
各位の和である-22は11の倍数なので,
\(384758は11の倍数。\)
役に立つ問題の例
倍数の見分け方を覚えていることで,
最も役に立つのは「数字の並べ替え問題」です。
(高校では順列といいます)
例えば,このような問題が出たとしましょう。
1,2,3,4,5の数字が書かれてカードを1枚ずつ用意します。
このカードから3枚を選んで3桁の数字を作るとき,
3の倍数は何通り作れるか書きなさい。
3の倍数になる条件は「各位の和が3の倍数」なので,
まずは和が3の倍数になる組み合わせを探す。
↓
「1,2,3」「2,3,4」「3,4,5」「1,3,5」の時,和が3の倍数になる。
↓
仮に「1,2,3」の数字を選んだときは,
「123」「231」「312」「321」「132」「213」
の6通りの数字を作ることができる。
↓
「2,3,4」「3,4,5」「1,3,5」についても,
それぞれ6通りの数字を作ることができるので,
答えは24通り。
全ての数字(今回は60通り)について,3で割れるかを
1つ1つ確認する必要があります。
倍数になる条件を覚えておいたほうが速くて正確でしょう。
倍数の条件を暗記する以外にはありません。
さいごに
「なぜこのようなことが成り立つのか」という証明までできることが理想です。
しかし,それと同じくらいに
「倍数の見分け方を覚えて,何の倍数かを即時に判断をする」ことや
「倍数になる条件から逆算して,求められている数字を作る」ということも重要です。
最後に,冒頭の画像で載せた\(360360\)という数字ですが,
2~12すべての倍数です!
\(360360\)が本当に2~12の倍数かどうか,
本記事で紹介した内容をもとに,是非確かめてみてください。