「または」とは何か?日常の意味と数学的な意味の違いを解説!

「または」とは何か?日常の意味と数学的な意味の違いを解説!

集合や確率の問題でよく出てくる「または」という言葉ですが,
日常的な使い方と数学的な使い方が異なっている言葉です。

本記事では,そんな「または」について,
日常生活での意味と数学的な意味の違いを見ていきましょう。

日常生活の「または」

普段の会話で登場する「または」の意味は,ほとんどの場合
「複数の選択肢から,1つだけ選ぶ(起こる)」という意味です。

例えば,「右手または左手を上げてください」と言われて
両手を上げる人はいませんよね。

ほとんどの人が「右手だけ」か「左手だけ」を上げると思います。

もし両手を挙げてしまったら,「え? 質問をちゃんと聞いてた?」と言われてしまうかもしれません。

両手を上げるということを選択肢に入れるためには,
「右手もしくは左手,またはその両方を上げてください」
という言い回しにする必要があります。

数学の「または」

数学で登場する「または」の意味は,
「複数の選択肢から,1つ以上選ぶ(起こる)」という意味であり,
「少なくとも一方」と同様の意味です。

具体的に言うと,提示された選択肢を全部選んでも大丈夫なんです!

先ほど例に出した「右手または左手を上げてください」という質問ですが,
数学的には「右手だけ」上げても,「左手だけ」上げても,
右手と左手の両手とも」上げてもいいのです。

それぞれをベン図に表してみる

日常会話の「または」と数学の「または」をそれぞれベン図で表してみましょう。

日常会話で使う「または」はどちらか一方だけ(両方は含まない)ので,
このようなベン図になります。

数学で使う「または」は両方をふくむので、
このようなベン図になります。

教科書や参考書に記載されている「または」のベン図はこっちですね。

数学の問題を解くときには,「または」は両方を含むということを
しっかり意識して問題を解くようにしましょう。

さいごに

「または」の意味について解説しましたが,いかがだったでしょうか。

余談ですが,数学の「または」を日常生活で使ってしまうと
常識のない人になってしまうので控えたほうがいいでしょう。

例えば,飲食店で「このメニューは,スープまたはコーヒーがつきますが,どうしますか」
みたいに聞かれた時,「では,両方ください」なんて返したら,
一発で常識のない人と思われてしまいます。
(そんな選択はそもそも無理でしょうし)

あくまでも数学的知識として留めておきましょう。