本記事は,二重根号がなぜ外れるのかを解説後,具体的な計算方法という順で記載していきます。
計算方法のみ知りたい方は,ここをクリックして計算方法の所まで飛んでください。
なぜ2重根号が外せるのか
ルートの中に2乗がある場合,ルートを外すことができますね。
\(\displaystyle\sqrt{3^2}=3\),\(\displaystyle\sqrt{4^2}=4\)。
2重根号の計算は,この知識を応用したものです。
例えば,\(\displaystyle\sqrt{(\sqrt{3}+\sqrt{2}})^2\)を2通りの方法で式変形してみましょう。
①\(\sqrt{ }\)の中を展開する。
\(\displaystyle\sqrt{(\sqrt{3}+\sqrt{2}})^2=\)\(\displaystyle\sqrt{5+2\sqrt{6}}\)。
よって,\(\displaystyle\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\)\(\displaystyle\sqrt{3}+\sqrt{2}\)が成り立ち,2重根号を外すこと手出来ました。
\(\sqrt{ }\)の中に-がある場合
\(\sqrt{ }\)の中がマイナスの2乗の場合,ルートを外すときにプラスに直す必要があります。
\(\displaystyle\sqrt{(-3)^2}=3\),\(\displaystyle\sqrt{(-4)^2}=4\)など。
2重根号を外すときも同様に,答えがプラスになるようにしなければなりません。
この点を踏まえて,\(\displaystyle\sqrt{(\sqrt{2}-\sqrt{3}})^2\)を2通りの方法で式変形してみましょう。
①\(\sqrt{ }\)の中を展開する。
\(\displaystyle\sqrt{(\sqrt{2}-\sqrt{3}})^2=\)\(\displaystyle\sqrt{5-2\sqrt{6}}\)。
①の式も②の式も,\(\displaystyle\sqrt{(\sqrt{2}-\sqrt{3}})^2\)を変形した結果なので値は等しくなります。
よって,\(\displaystyle\sqrt{5-2\sqrt{6}}=\)\(\displaystyle\sqrt{2}-\sqrt{3}\)が成り立ち,2重根号を外すこと出来ました。
先ほどとやっていることは同じですが,答えがマイナスにならないように調整をすることが必要です。
次は,具体的な計算方法を記していきます。
計算方法
2重根号を外すためには,\(\displaystyle\sqrt{a±2\sqrt{b}}\)の形にすることが第一です。
この形になっていない問題の場合,まずはこの形を作りましょう。
その後は,以下の手順で解くことができます。
(ⅰ)基本形である\(\displaystyle\sqrt{a±2\sqrt{b}}\)の形を作る。
(ⅱ)足してa,かけてbの2数を探す。
その2数を数を\(x\),\(y\)とする(\(x\)>\(y\))。
(ⅲ)\(\sqrt{x}±\)\(\sqrt{y}\)
大きい数から書く方が、間違いが少ない。
(ⅳ)\(\sqrt{ }\)を簡単にできるのであれば行う。
(ⅴ)分数であれば有理化する。
この手順が具体的にはどのような式変形になるのか見ていきましょう。
例題演習。基本形のパターン。
まずは最初から基本形になっているパターンです。
\(\displaystyle\sqrt{6+2\sqrt{8}}\)の2重根号を外しなさい。
まとめると,以下のような式変形になります。
\(\displaystyle\sqrt{6+2\sqrt{8}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{4}+\sqrt{2}\)
\(=2+\sqrt{2}\)
例題演習。2がないパターン。
次は基本形\(\displaystyle\sqrt{a±2\sqrt{b}}\)の2がないパターンです。
基本形を作った後は今までと同様です。
\(\displaystyle\sqrt{9-6\sqrt{2}}\)の2重根号を外しなさい。
まとめると,以下のような式変形になります。
\(\displaystyle\sqrt{9-6\sqrt{2}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{9-2×3\sqrt{2}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{9-2\sqrt{18}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{6}-\sqrt{3}\)
\(\displaystyle\sqrt{7+\sqrt{40}}\)の2重根号を外しなさい。
まとめると,以下のような式変形になります。
\(\displaystyle\sqrt{7+\sqrt{40}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{7+2\sqrt{10}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{5}+\sqrt{2}\)
\(\displaystyle\sqrt{4-\sqrt{15}}\)の2重根号を外しなさい。
まとめると,以下のような式変形になります。
\(\displaystyle\sqrt{4-\sqrt{15}}\)
\(=\displaystyle\sqrt{\frac{{8-2\sqrt{15}}}{2}}\)
\(=\displaystyle{\frac{\sqrt{8-2\sqrt{15}}}{\sqrt2}}\)
\(=\displaystyle{\frac{\sqrt5-\sqrt3}{\sqrt2}}\)
\(=\displaystyle{\frac{\sqrt10-\sqrt6}{2}}\)
最後に
二重根号の外し方や成り立ちについて解説を行いなしたが,いかがだったでしょうか。
高校一年生の一学期中間テストのテスト範囲になることがほとんどです。
高校生最初のテストで高得点をとれるように,必ずマスターしましょう。