比は文章題や図形などいろいろな単元で使われることは一度お伝えしました。
今回は、実際に問題を解く際に使用する、□の求め方をお伝えします。
では、デンヘキ先生とのびーたさんの授業を見ていきましょう。
□を求める方法は3通り
今回は比を使った□の求め方をやっていくよ。
比を使った□?
□に入る数字を求めよ。
□に入る数字は何だと思う?
うーん……
3:4ってもう同じ数で割れないから、9:□を簡単にしたら3:4になるってことかなぁ?
お、いい考え方だね。その通りだよ。
それを使っていくとできるぞ。
なんか、わかりそうでわからないです……
じゃあ、今回はこのやり方を説明するんだけど……
実はやり方は全部で3つあるんだ。
えっ、3つもあるんですか?大変だぁ……
まぁ、そう言わずに慣れればそうでもないから。
さっきの問題は3つのやり方を全部説明してから、最後に答え合わせをしよう!
いま、教えてくれてもいいのに……
まあ、そう言わないでよ。
まずは3つのやり方を簡単に言うと、
①右から右、左から左へ同じ数をかけたり、わったりして求める
②1つの比の中で何倍か考える
③内側同士と外側同士をかけたら同じ数字になることを利用して求める
の3つなんだ。
……どこが簡単なんですか?
冷静なツッコミだね(笑)
でも、確かに文字だけだと何を言っているかわかりづらいね。
1つずつやり方を見ていこう!
①右から右、左から左へ同じ数をかけて求める
さあ、まずは問題を見てみよう。
□に入る数字を求めよ。
この問題をどう解いていくかっていう話なんだけど……
今回の右から右、左から左っていうのは、それぞれの比の場所だと思ってほしいんだ。
うん。
今回は「7:3」っていう比と、「49:□」っていう比の2つの比があるよね。
7:3の左側の数字と49:□の左側の数字をそれぞれ見てみよう。
そう!そういうことだよ。
じゃあ、7から49まで何倍しているかわかるかな?
OK!
今度は、それぞれの右側の数字に注目してみよう。
そうだね。そして、左側は7倍しているってわかったよね。
実は、左側が7倍だったら、右側も7倍しているんだ。
えっと、じゃあ3を7倍して、
3×7=21
だから、□=21っていうことですか?
完璧!!それでやり方はバッチリだよ。
□に入る数字を求めよ。
答え □=21
最初の「右から右、左から左へ同じ数をかけたり、わったりして求める」の意味は分かったかな?
2つの比の右側の数字と左側の数字に注目して、何倍かがわかれば解けるんですね。
そういうこと。
問題を3つ出してみるから、練習していこうか。
□を求めよ
さあ、まずは、さっきとほとんど同じ問題だよ。
どうすればいいかな?
えっと……
それぞれの左側を見てみると、2と12で6倍しているから、左側も6倍のはず。
だから、3を6倍して、
3×6=18
□=18です!
うん、完璧。すごいじゃん!!
じゃあ、その調子で次の問題もやってみよう!
□を求めよ
答え □=18
問題 3:5=□:45
□に入る数字を求めよ
本当に少しだけ変えた問題。
何が変わったかわかるかな?
でも、考え方は一緒だよ。どうすればいいかな?
一緒の考え方ってことは、今度は右側の数字を見ればいいのかな?
右側の数字は5と45だから、5から45までは9倍。
左側の数字の3も9倍になるはずだから、
3×9=27
□=27
かな?
お、バッチリだね!
□に入る数字を求めよ
答え □=27
わり算?
□に入る数字を求めよ
だから、32も2倍?あれ?なんかおかしいな……
このやり方に注意してほしいのは、矢印の方向なんだ。
「矢印は同じ方向」を必ず守ろうね。
わかりました。……でも、それだとこの問題はどうすればいいのかな?
わり算……?
うん、矢印が同じになるように、12から6にするにはどうすればいいか考えてごらん?
えっと、12から6にするには……
あ!12を÷2すれば6になる。
そう!それを使うんだよ。
左側を÷2しているから、右側の32も÷2すればいいんだ。
32÷2=16
□=16
ですね!?
かけ算でもわり算でもいいの意味も分かったみたいだね。
□に入る数字を求めよ
答え □=16
やり方がわかってきました。
よかった。
じゃあ、最後に少しだけ応用問題をやってこのやり方の説明を終わりにしよう。
□に入る数字を求めよ
うぅ、分数が入ってきた……
分数が入ってきたからってそんなに困らなくて大丈夫。
まずは、8:12を簡単にできるからやってみよう。
※簡単にする方法はこちらから
8:12を簡単にですか?
えっと……どちらも4で割れるから
8÷4=2、12÷4=3だから
8:12=2:3
ですか?
そうだね。
この2:3と\(\displaystyle\frac{2}{5}\):□を見てみよう。
左側の2と\(\displaystyle\frac{2}{5}\)を見てみると、2に\(\displaystyle\frac{ }{5}\)をつけたら\(\displaystyle\frac{2}{5}\)になるよね?
□に入る数字を求めよ
答え □=\(\displaystyle\frac{3}{5}\)
じゃあ、このやり方はここまでにして、次のやり方を見てみよう。
1つの比のなかで何倍か考える
□に入る数字を求めよ
えっと、2から5まで何倍か考えればいいから……
だけど、それだと分数になって大変だろ?
左から右、3から12まで何倍になっているかな?
12÷3=4
だから4倍です。
等しい比の場合、この何倍というのはどちらも同じになるんだ。
5:□のほうでも、左から右へは4倍ってことですか?
□=20です!
□に入る数字を求めよ
答え □=20
□に入る数字を求めよ
わかりました!
20÷4=5
だから、比の中で5倍です。
7:□の中でも5倍になるから、
7×5=35
なので、
□=35
です。
□に入る数字を求めよ
答え □=35
□に入る数字を求めよ
今度は4:8の中で考えればいいんですよね?
8÷4=2
だから、比の中で2倍!
□:6の中でも2倍になるから……
あれ?
考え方の方向性は合っているけど、うまくできなさそうだね。
どうしようか。
4から8じゃなくて、8から4で考えればいいんだ。
比の中で右から左、8から4へは÷2しているって考えればいいんだ!
□:6の中でも同じよう右から左へ÷2になるはずだから、
6÷2=3で、
□=3
ですね!?
□に入る数字を求めよ
答え □=3
別のところで習ったことを使えないか考えるとできることもあるからね。
じゃあ、応用問題。
その考え方ができるなら応用問題でもできるんじゃないかな。
□に入る数字を求めよ
さっきも分数があるときの考え方をやっただろう?
えっと、整数と分子の数字が同じだから、分母をつけて考えたんだっけ。
□=\(\displaystyle\frac{6}{7}\)
ですか?
□に入る数字を求めよ
答え □=\(\displaystyle\frac{6}{7}\)
内側同士と外側同士をかけたら同じ数字になることを利用して求める
□に入る数字を求めよ
「2:7=8:□」っていうのは、真ん中に「=」があるよね?
この=に近いのが内側、遠いのが外側だよ。
「=」から見ると、7と8が内側にあるってことですね?
うん、よくわかったね。
この内側同士の7と8、外側同士の2と□それぞれのかけ算の結果が同じになるという性質が比にはあるんだ。
要するに、7×8と2×□が同じってこと。
□=28
ですか?
よくできたね。
□に入る数字を求めよ
答え □=28
□に入る数字を求めよ
12×6=72だから、
9×□=72になって、
72÷9=8
□=8
です!
どれが一番簡単?
う~ん……わからないです。
ただ、慣れている人や、先生みたいな人でもどれが一番って言えないんじゃないかな。
わざわざ難しいやり方を教える必要もないし、それをやる必要もないじゃないか。
だから、どれが一番いいのか問題ごとに見極められるようになってほしいんだ。
計算ミスもしにくいんだ。
ただ残念なのは、何倍かすぐにわかることは、多くないんだよ。
でも、③のやり方はそういうことがあまりないんだ。
だからさっき「最終兵器」って言ったんだ。
そういう問題で③のやり方でやると、時間もかかるし、ミスも起こしやすいと思うかな。
さっき言ったようにできないような問題はないから。
ただ、理想を言えば、全部できるようになること。
例えば、最初の問題なんだけど……3種類のやり方でやってみると下のようになる。
□に入る数字を求めよ。
答え □=12
でも、②は正直やりたくないなぁ。
③は作業が多いような気がします。
これは人によって感想が変わってくるから、どれが一番いいっていうのは自分で決めて大丈夫。
だから練習するときはやり方を覚えることはもちろん、どのやり方が一番いいと思うかまで考えてあげるといいね。
確かにそうかもしれないね。
でも、本当に一番いいと思うやり方が選べるようになると、問題を解くときにも役に立つことがあるから頑張ろう!
今回、比の□を求めるやり方を伝えてきました。
さて、デンヘキ先生が言っていたように、3通りのやり方で一番簡単なのを求められるようになってほしいと思います。
3種類、理解していると進学後の学習にもつながってきます。
先にもつながる学習を心がけてほしいと思います。