本記事は,論理的思考の第一歩である計算パズルの無料ダウンロード&解説を行っていきます。
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小学生でもできる“論理的思考”
数学や理科において,論理的思考とは様々なことを表します。
そのほとんどが関数や図形,煩雑な文章問題で培われるものであり,小学校低学年で身に着けるには難しいものがあります。
しかしながら,小学校低学年でも簡単に練習できる論理的思考が2つあります。
それは,
・仮定と検証を繰り返すこと。
・解法を自分の言葉で説明すること。
です。
この能力は,計算パズルを行うことで鍛えることができます。
計算演習と論理的思考の練習が同時にできるなんて,なんだかお得な気がしませんか?
仮定と検証を繰り返す
俗にいうトライ&エラーです。
例えば,以下の問題を見てください。
ヒント:0から9までのどれかの数が入ります。
計算内容は小学校低学年で学習する内容ですが,即答できる人は多くないでしょう。
しかし,この問題が解けない人も多くないハズです。
詳しくは後述しますが,この問題は積(かけ算)から考えることが重要です。
10以下の数で積が16になるのは,2×8か4×4か8×2のいずれかですが,どれが正しいのか分からないので,仮定するしかありません。
試しに,左上が2,右上が8だと仮定してみます。
下の□はかけて27にある数字なので,9以下の数では3×9しかありませんが,この組み合わせでは足して17と足して5になる条件を満たすことはできません。
上の□が4×4だとしても,条件を満たせないことが分かります。
「自分の考えはここまでは合っていて,ここから違ったのか」といった解説の読み方ができるようになるためです。
解法を説明する練習になる
計算パズルは,問題に正解しただけではその効果を十分に発揮しません。
問題を解き終わった後「どうやってこの答えにしたの?」と是非聞いてみてください。
この質問を投げかけることこそ,この問題を解く意義だと思っています。
単純な計算問題の場合,この質問はほぼ意味がありません。
「なぜ2+3の答えを5にしたの?」と聞いても,「2+3は5だから」で終わりでしょう。
それに対し,計算パズルの場合,解くための道筋が必ず存在し,その道筋は必ず仮定と検証があります。
先ほどの問いかけに対し,きっと具体的に説明してくれるはずです。
「まずはここの□に入るのが〇と〇だと思ったから……」といった感じでしょうか。
答えることができなかったとしても,焦る必要はありません。
答えることができない原因を考えてみましょう。
答えられない原因としては,“解法を自分の言葉で説明するやり方を知らない”というケースが主です。
そんな時は,質問の方法を変えてみてください。
「どうやって解いたの?」ではなく,「最初にどこから考えたの?」といった質問をしてみるなど,答えやすい質問にしてみましょう。
そんな質問を繰り返しているうちに,「ここから説明すればいいんだ」ということを覚えていきます。
“算数の説明をする”ということは,思っている以上に子供には難しい作業です。
最初から完璧な説明を求めるのではなく,質問を工夫して少しずつ説明できるように誘導してあげましょう。
また,問題自体が解けない場合は予備知識が足りていない可能性があります。
次の章からは,計算パズルを解くための予備知識や具体的な解き方を記していきますので,是非読んでいってください。。
計算パズルを解くための予備知識
計算パズルを解くためには,一問一答の穴埋め算が必須です。
四則計算の一部が空白になっていて,その空白を埋める問題。
例)
\(9×□=27\)
\(7×□=35\)など。
以下の記事で一問一答の穴埋め算の無料ダウンロードができるので,苦手な方はまずここから始めましょう。
演習問題&解答 9以下の計算。 問題 解答 問題 解答 問題 解答 問題 解答 ①~⑩:□の中が30以下の計算。 ⑪~⑳:□の中が50以下の計算。 ㉑~㉚:□の中が99以下の計算 […]
まずは積から考える
計算パズルを解く場合,まずは積(かけ算の答え)か商(わり算の答え)から考えることが大切です。
理由は単純で,たし算やひき算よりも選択肢が絞りやすいからです。
例えば, 〇×□=27というかけ算の計算の場合,1×27か3×9の2通りの選択肢しかありません。
それに対し,〇+□=27の場合は13通りの選択肢があります。
13通りを考えるよりも2通りを考える方が当然速いので,積や商から考えるのが第一です。
最後に,和が成り立つかの確認を行っていくようにしましょう。
最後に
今回は計算パズルで鍛えられる論理的思考について記してきましたが,いかがだったでしょうか。
仮定と検証を繰り返すことと,解法を自分の言葉で説明できることは非常に有意義です。
解法を自分の言葉で説明できるようになると,質問が上手になります。
「ここまでは分かったけど,ここからが分からない」等。
上手な質問をすると,教師はその子の実力を知ることができます。
教師が実力を知ることができれば,効率的な授業を実施することができます。
集団授業の場合は,その子に100%合わせるわけにはいきませんが,それでも自習や限られた質問時間を有意義に使えるでしょう。
是非,早めに始めてみてください。