【中学理科フックの法則】公式!解き方!演習問題!を具体的に!

中学生理科のフックの法則の解き方!公式と演習問題

本ページでは、中学範囲のフックの法則の解き方を解説します。

高校生以上の物理公式には対応していませんので、ご注意ください。

解き方だけ知りたい方は、目次から「最初に確認すること」をクリックしてください。

フックの法則とは

フックの法則とは、「ばねの伸び」 と 「ばねに加わる力の大きさ」が比例するという法則のことです。
「ばねの長さ」ではなく「ばねの伸び」です。

フックの法則。加える力とばねの伸びは比例。

加える力と、ばね長さは比例しないので注意です。

フックの法則。加える力とばねの長さは比例しない。

詳しくは後述の「ばねの“長さ”の解き方」で解説しますが、ばねの「伸び」「長さ」は明確に解き方が違うので、注意して本文を読んでください。

最初に確認すること

問題に出てくるばねの基準を確認しましょう。
具体的には、何Nで何㎝伸びるばねを使用しているかです。

バッキンバッキンに硬いばねを使用する場合や、ぐにゃぐにゃの柔らかいばねを使用する場合があるので、まずはその確認です。

ほとんどの場合、表やグラフから読み取ることができます。

読み取り練習①
以下のデータが表すばねは、何Nで何㎝伸びるばねか。
どこの値に着目しても大丈夫です。
1Nで1.2㎝伸びるばね、でも
2Nで2.4㎝伸びるばね、でも。
自分が計算しやすい所の値に着目してください。
読み取り練習②
以下のデータが表すばねは、何Nで何㎝伸びるばねか。
横軸、縦軸、グラフの交点がわかる座標に着目します。
今回の場合、
4Nで1.5㎝伸びるばね、もしくは
8Nで3.0㎝伸びるばね、ですね。

このように、「ばねの基準を確認する」ことはとても大切です。

フックの法則の公式

ばねの基準が確認できたら、公式の確認です。

式の左辺に基準となるばねの値、右辺に求めたい内容を\(x\)として、比例式で答えを求めます。

代入練習をしてみましょう。

問:あるばねに力を加え、ばねの伸びを計測したところ、以下のようなデータが得られた。

①このばねに7Nの力を加えた時、ばねの伸びは何㎝か
②ばねの伸びが6㎝だった時、加えた力は何Nか。

①の解き方。

表より、基準となるばねは2Nで0.8cm伸びることが分かるので、公式に代入して解きます。

この比例式を解き、ばねののびは2.8㎝です。

②の解き方。

同じく公式に代入します。

この比例式を解き、加えた力は15Nです。

 

次は、例題を2問解いてみてください。
ばねの基準を確認して公式に代入すれば、解けるはずです。

基本練習①
あるばねに力を加え、ばねの伸びを計測したところ、以下のようなデータが得られた。

①このばねに7Nの力を加えた時、ばねの伸びは何㎝か
②ばねの伸びが7.5㎝だった時、加えた力は何Nか。
公式 N:伸び=N:伸び

①についての式。
・1:1.2=7:\(x\)
・2:2.4=7:\(x\)
・3:3.6=7:\(x\)
・4:4.8=7:\(x\)
・5:6.0=7:\(x\)
いずれかの式を解き、答えは8.4㎝です。

②についての式。
・1:1.2=\(x\):7.5
・2:2.4=\(x\):7.5
・3:3.6=\(x\):7.5
・4:4.8=\(x\):7.5
・5:6.0=\(x\):7.5
いずれかの式を解き、答えは6.25Nです。
基本練習②
あるばねに力を加え、ばねの伸びを計測したところ、以下のようなデータが得られた。

①このばねに6Nの力を加えた時、ばねの伸びは何㎝か
②ばねの伸びが4.8㎝だった時、加えた力は何Nか。
公式 N:伸び=N:伸び

①についての式。
・4:1.5=6:\(x\)
・8:3.0=6:\(x\)
いずれかの式を解き、答えは2.25㎝です。

②についての式。
・4:1.5=\(x\):4.8
・8:3.0=\(x\):4.8
いずれかの式を解き、答えは12.8Nです。

ばねの“長さ”の解き方

フックの法則で注意すべきは、記載されている内容がばねの「伸び」なのか「長さ」なのかです。

基本的な解き方は、今までと同じです。
ただ、注意点があるので、まずは表やグラフの読み取りから見ていきます。

読み取り練習③
以下のデータが表すばねは、何Nで何㎝伸びるばねか。

今回の表は、ばねの「長さ」と書かれています。
力を加えていない(0N)の時に長さが10㎝なので、もともとのばねの長さが10㎝です。

1Nを加えると長さが10.6㎝になるので、このばねは、
1Nで0.6㎝伸びるばねということです。

※よくある間違い
グラフのデータをそのまま読み、
1Nで10.6㎝伸びるばね、としてしまう。

読み取り練習④
以下のデータが表すばねは、何Nで何㎝伸びるばねか。

今回のグラフは、ばねの「長さ」と書かれています。
力を加えていない(0N)の時に長さが3㎝なので、もともとのばねの長さが3㎝です。

2Nを加えると長さが4㎝になるので、このばねは、
2Nで1㎝伸びるばねということです。

※よくある間違い
グラフのデータをそのまま読み、
1Nで4㎝伸びるばね、としてしまう。

この読み取りができれば、公式に代入できます。

基本練習③
あるばねに力を加え、ばねの伸びを計測したところ、以下のようなデータが得られた。

①このばねに9Nの力を加えた時、ばねの長さは何㎝か
②ばねの長さが16.3㎝だった時、加えた力は何Nか。

・基準 1Nで0.6㎝伸びるばね。
・公式 N:伸び=N:伸び

①についての式。
1:0.6=6:\(x\)
この式を解くと、5.4㎝とでるが、これはばねの「伸び」です。
もともとのばねの長さが10㎝、伸びが5.4㎝なので、
ばねの長さは15.4㎝です。

②についての式。
ばねの長さが16.3㎝なので、ばねの伸びは6.3㎝です。
よって式はこのようになります。
1:0.6=\(x\):6.3
この式を解くと、答えは10.5Nとわかります。

基本練習④
あるばねに力を加え、ばねの伸びを計測したところ、以下のようなデータが得られた。

①このばねに7Nの力を加えた時、ばねの長さは何㎝か
②ばねの長さが8㎝だった時、加えた力は何Nか。

・基準 2Nで1㎝伸びるばね。
・公式 N:伸び=N:伸び

①についての式。
2:1=7:\(x\)
この式を解くと、3.5㎝とでるが、これはばねの「伸び」です。
もともとのばねの長さが3㎝、伸びが3.5㎝なので、
ばねの長さは6.5㎝です。

②についての式。
ばねの長さが8㎝なので、ばねの伸びは5㎝です。
よって式はこのようになります。
2:1=\(x\):5
この式を解くと、答えは10Nとわかります。

最後に

高校生になると、「ばね定数」という用語が出てくるので、本記事とは違った方法で求めることができるようになります。

ここまで書いておいてなんですが、本記事の解き方は「ばね定数」という概念が出てこない中学生までの解き方だと思ってください。
高校生では、文字が多く出てきたり、計算が煩雑になったりするので、あまりお勧めできる解き方ではありません。

……中学生の履修内容に「ばね定数」あれば楽なのに!!
と一瞬考えたのですが、それはそれで履修内容がいくつか増えてしまいますし……履修内容や範囲を決めるのは難しいですね。